エタノールがウイルスを不活性化させるためにはどれくらいの時間がかかる?
消毒液がウイルスや菌に効くまで、濃度や種類によって作用する時間に差があります。
色々な消毒液を使用しているご家庭が多いかと思いますが、種類ごとに菌やウイルスを不活性化するメカニズムが異なるためアプローチの時間を知っておくと適切な対策が行えるでしょう。
今回は、エタノールを中心に消毒液がウイルスを不活性化するまでにかかる時間について解説いたします。
濃度50%エタノールは1分かかる
消毒液として広く使われているエタノールですが、タンパク質や脂質に作用するためエンベロープという膜を持っている細菌やウイルスに効果があります。
効果はエタノールの度数によって異なり、北里大学大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室が行った実験で50%以上の濃度であれば1分ほどでウイルスの不活性化が認められました。
しかし、10%から30%の低濃度のエタノールでは10分放置しても不活性は確認できませんでした。
界面活性剤は数分かかる場合も
同じく除菌や消毒への効果が期待されているのが、界面活性剤です。
界面活性剤は、
・ハンドソープ
・台所用洗剤
・洗濯洗剤
・フロア用のウエットシート
・衣類用除菌スプレー
・トイレ用洗剤
などに含まれています。
台所用洗剤を希釈して拭き掃除などに使うことで除菌効果が得られると、経済産業省が発表しています。
高濃度エタノールとは成分が異なるため、不活性化には数分かかることも考えられます。
ただし、すべての界面活性剤が効果があるわけではないので製品選びには注意が必要です。
ウイルスや細菌の種類について時間は異なる
細菌やウイルスはすべて同じ形状・しくみというわけではありません。
界面活性剤やエタノールが有効なのは、あくまでも一部のウイルスです。
ノロウイルスなどウイルスの種類によっては別の消毒液を使わなければいけないので、目的に応じて使い分けましょう。
特に飲食店など衛生管理が重視される場所では、複数の消毒液を準備しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?この記事では、「一定以上の濃度があるエタノールは1分ほどでウイルスを不活性化できる」ということが分かりました。
エタノールや界面活性剤を使って感染症対策を行う際は、最後に必ず手洗いをしてくださいね。